“好き”を仕事に | “好き” の気持ちが一番で、大切。

18.03/21-Wed/住まい

“会社員、フランス修行、復職、出産…全ての “好き” の経験が今の私に”

2016年の夏にマーケティング会社を退職するまで、3人の子育て(現在9歳・6歳・4歳)をしながら休日にワークショップやイベント、講師、研究など多岐に渡って活躍中のSachicaさん。マーケティングのお仕事も好きだったし、製菓作りも好き。そしてフランス修行時代にはフランスのご家庭に根付くartな日常に魅了された。

Sachicaさんは「好きという気持ちが一番強くて、それが一番大切だと思うんです」という。現在、①ケーキデザイナー、②キッズアートライフプロデューサー、③コンサルタント、④大学院での研究員、⑤子育てと幅広くご活躍の太田さちかさんに、今回は「②キッズアートライフプロデューサー、⑤子育て」を中心にお話をお伺いしました。

 

 

■②キッズアートライフプロデュース

“フランス時代に感じた“美しいもの”を日本の子育てにも取り入れる、ワークショップ”

フランスでは、例えば有名なルーヴル美術館では子どもの入場料が無料だったり、子ども向けのワークショップがあったり、例えば、ご家庭には道に落ちていただけの “すてきな石ころ”を飾ったり、そういう「芸術」というと大げさですが、「すてき」とか「奇麗」とか「好き」という気持ちが自然に育つというような環境があるように感じました。

そして帰国後、復職、長男を出産し日本の児童館に行った時に、その場そのものはありがたいと思う一方で、素朴感であったり、味気無さというようなものを感じたことがあって、子どもの世界にも「わくわくするようなお洒落さ」とか「カラーリングの美しさ」がもっと身近でもいいのではないか?と思い、子どもと芸術を絡めた、子どもの「好き・興味・不思議」に寄り添うワークショップを始めるきっかけになりました。

 

 

“暮らしの中にある「その子らしさ」を育むワークショップ”

表面的ではなく、子どもの感性に寄り添ってこどもの「好き」を一緒に感じて表現していく=「主体性・感性・想像力」を育んでいく場でありたいと思っています。まずは暮らしの中にたくさん転がっている「好き」にアプローチしていきます。子どもは好きなことに没頭し、どんどん想像力が豊かになっていきます。

そのようにしてキッズクリエイティビティを伸ばし、社会性や心の豊かさを身に着けて行く。そして子どもの感性が豊かになっていくことで、親は子どもの成長を喜んだり、周りの人たちがHappyになったりもしますよね。子どもだけでなく、その延長線上にある幸せにもつながっていったらいいなという思いがあります。

 

 

“最初のワークショップは、お友だちから”

ホームパーティの感覚でお友だちと一緒にお菓子作りをしたのが初めてのワークショップだったと思います。ワークショップを始めた9年前はお仕事をしていましたので休日を使っての開催となりました。当初から大切にしていることは、ワークショップ内で必ずアクティビティを入れるということ。

同じタイミングでハロウィンパティ―をやることになったのですが、当時は今ほどホームパーティが一般的ではなかったこともあってか、周りにお声がけをしたら100人位集まることになってしまったのです。大がかりなパーティとなりましたが、参加のみなさんがジャック・オ・ランタンを作るなどのアクティビティもできました。

今となっては、この頃のほうが見た目というか表面的だったようにも思いますが、こういった経験があって、今では表面的ではなく「子どもの感性に寄り添う」ことを重視するようになったのかもしれません。

 

 

“退職後、本格始動してからまだ1年半。平日も多忙なほど人が集まる理由は?”

9年間、続けてきたことでしょうか。続けたことで人とのつながりも増え、続けることで広がる世界があったのではと思います。また会社勤めをしながら、休日にワークショップをしてきましたが、休日やってきたことが平日にもできるようになったため、この点ではより広くの活動ができるようになりました。

 

 

“心がけていることは「他にないもの」&「ヒアリングして活かすこと」”

ワークショップで大切にしていることは「他にないもの」。題材だけでなく、例えば会場をお借りする際には場所や、演出にもコンセプトや新しいエッセンスを入れられるようにしています。

例えば “お菓子のお城のクリスマス”といった具合です。お菓子のお城、想像したことはあるけど、実際に作ったことがないという方は多いと思います。また、今度日本の和の空間で香りのワークショップをします。香りは日常にあふれているけれど、フォーカスすることはなかなかないものです。そして香りというのは大人になってからは記憶が作れないものとも言われているので、子どもの時に自然の香りにじっくり触れることで、感性にアプローチしていくというワークショップです。

このように、日常にも「他にないもの」はたくさんありますし、「新しいエッセンス」は、海外のSNSのほうが早いことも多いので、インターネットを使って仕入れることもありますね。また、子どものワークショップの場合はお母様方にヒアリングをし、今後の内容に反映することも大切にしています。

 

 

■⑤子育て

“子どもの成長に合わせて、ライフスタイルを一新した2016年、夏”

長男が小学生になり、普通のことですが勉強も難しくなってきたり、人間関係も幼児期より複雑になりました。それまでの会社員の生活は多忙を極めていてゆっくり子どもたちと過ごしたり会話するには相当の努力が必要でした。

そこで、子どもたちとの時間を優先させるために退職をし、自宅メインでできる今のスタイルに転換したのが去年の夏です。それからは「①ケーキデザイナー②キッズアートライフプロデューサー③コンサルタント④大学院での研究(子どもと芸術を関連付けた学問の研究)⑤子育て」を軸に活動しています。

 

~とある1日のタイムスケジュール~

 

“子育てで、大切にしていること”

 

 

子育てでも大切にしていることは、子どもが「好き」で「楽しく」やれるか、ということです。例えば、長男はサイエンスの世界に興味があるようなのですが、お菓子教室の準備の際に「スポンジはなぜ膨らむのかな」「チョコレートは何度で溶けると思う?」と声かけをして、実際にやらせてあげると、集中して観察したりしています。

下の二人の子たちは今はバレエが楽しくて仕方がないようなので、つい最近は「くるみ割り人形」がテーマだったのですが、バレエ鑑賞だけでなく、お手製の紙工作で子どもたちと「くるみ割り人形シアター」を作り、登場人物が動く仕掛けを入れたり「好き」をとことん、いろいろな形で楽しめるように工夫しています。

 

 

“子どもの自主性に任せる、月に1回、自分で目標を決める”

 

育児は目に見えないものが多い、多忙な主人も見られないことが多い、また私自身マーケティングのお仕事をしていたということも影響してると思うのですが、みんなの目に見える「目標」を毎月自分で考えています。時には持ち越しになることもありますが、自主性に任せていて、達成するとご褒美がもらえる仕組みなので、頑張っているようです。

 

“忙しいスケジュールの中で、家事・子育てとの両立のコツは?息抜きは?”

お掃除は時間がある日の掃除機と、ワイパーでサッと済まる日とあります。子どものピアノは自宅レッスンなので(3人分)その時間も掃除をしていることが多いですね。

ご飯は基本的にはワンプレートでお皿のフォーメーションが決まっており(笑)リズムよく配膳できます。食洗後もそのフォーメーションに並べておくので、少しの時短にはなっているかもしれません。

お仕事や3人いる子どもの行事などで、ちょっと詰め込みすぎちゃったなという時には、習い事の待ち時間にカフェでゆっくりしてリフレッシュすることもあります。

 

 

“起業に必要な三つの要素 ①「好き」の気持ち②コスト意識③やってみる、その一歩”

まずは、やっぱり「好き」という気持ちが一番強いと思います。情熱があればアンテナも張るし、情報も欲しくなるので、そうすることでまた見える世界があるように思います。
また、ビジネス的な観点から見ますと、趣味の領域から始める場合は、あまりコストをかけすぎないことだと思います。私自身、ケーキの搬入も手で運べるサイズの場合は電車でお運びすることもあります。

ビジネスとしてのお仕事ではないケースの場合は、「好き」を大切にボランティアの部分もあるので、余計な経費をかけないことも大切だと思います。

最後に、主人に言われたのは「やってみたら?」ということ。ちっちゃなことでもやってみる、お友だちが集まった時にやってみる。この言葉に背中を押してもらった気がします。

 

 

“インタビュー後記”

Sachicaさんは、春には書籍を出版されるご予定で、現在準備真っ只中とのこと。そんなお忙しい最中にお話しを伺いました。
例えばお教室用にドライフルーツもお手製で準備されているとのこと、例えば子どものために切り絵工作の原紙をつくるとのこと、etc etc…どこにそんな時間が?!と、お伺いすると「簡単なんですよ」とのこと。簡単なわけはありません。その「簡単」といえるまでの過程もサラリと言えてしまう経験の深さも簡単に真似できることではないけれど、「好き」を「やってみる」という一歩は踏み出せるかもしれません。

そして印象的だったのは「コンビニエントな時代だけれど”大切なもの”を簡単に通り過ぎてしまいたくない」というSachicaさんの言葉。子どもには感性豊かに育ってほしいと願いつつも、つい日々の雑多に追われて、忘れてしまいそうなこと。今一度胸に刻みたい言葉です。

 

~プロフィール~

太田 さちか
パリ サンジェルマン・デ・プレで過ごし、慶應義塾大学、エコール・ド・リッツ・エスコフィエ、京都造形芸術大学大学院など日本とフランスで製菓、芸術を学ぶ。芸術教育士として、キッズクリエイティビティを軸にしたアトリエアプローチを実現。2,000人を超える会員を迎え、2009年にこどもとママンのための「My little days」設立。『sachi & cakes』ケーキデザイナー、コラムニストとしても幅広く活動。子供たちの興味や不思議、好き!といった感性に寄り添いながら、独自の世界観あふれるワークショップ、レシピが好評を呼び、企業サイトや多数メディアで活躍。
http://mylittledays.info
https://www.instagram.com/sachica_kidsartlifeproducer/


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専門商社で営業職に従事、その後出版業界でディレクター・ライターとして勤務。リアルな情報をリアルに伝えることを大切にしています。現在2児の母。子育てサークルの代表。
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